気持ち悪いなら気持ち悪いと云ってイイ

先日、「ゲイカップル」を特集したとある深夜番組の中で、レギュラーコメンテーターをしているタレントっぽい医者(え? 医者っぽいタレントだっけ??)の女性が「気持ち悪い」という旨の発言をしていた。まァ、その件についていきり立っている方もおられるだろうが、「気持ち悪い」と思った事柄について「気持ち悪い」と云ったこと自体は別に構わないと思う。

もうけっこう前になるが、ワイドショーで英国の同性婚の話題を取り上げた際、やはりコメンテーターの大学教授が「僕はこういうのはやっぱりイヤだなァ」と発言したところ、「あんな奴をテレビに出すな!」というような書き込みがネット上で散見できた。そのときも「なんだ? 戦前の人がタイムトリップしてネットにつないでるのか?」という気がして、あまりイイ気分はしなかったですナ。

日本は思想信条や発言の自由を法の名のもとに保護している(現時点では。今後の与党の出方次第では変わるかもしれないけど)国だから、ゲイカップルを「気持ち悪い」と云うのも、同性婚を「やだなァ」と云うのも全く構わないのである。まァ「わざわざ口に出して日本全国にアピールすることもなかろうに」とは思うけれども、女医さんも大学教授もコメンテーターという立場上、「コメントを差し控えます」とも云えず、バッシングのリスクを承知のうえで「ホンネ」を開陳したんだろう。「アイマイな物云いでお茶を濁すことなんていくらでもできるのにあえてソレをしなかった」という意味では、僕はくだんの2人は誠実であると思う。

「気持ち悪い」とか「イヤだなァ」と云われてイイ気分のする人間なんかはいないから(あ、ドMの人は違うか)、頭にくる気持ちはわかる。けれども、そこで言論封殺的なことをしてしまったら「負け」であると思うのだ。意見の全然合わない相手と「仲良く付き合え」なんて無理なことは云わない。でも、せめて「理性的にシカトする」くらいの器のデカさは持ってほしいのだ。「気に入らないコトを云いやがるから」という相手をいちいち攻撃していたら、この世の中は死屍累々になっちゃうでしょーよ。

冒頭の深夜番組について云うならば、あれは番組の作り方がマズイのだ。よりキワモノっぽく、気持ち悪いっぽく意図的に作り込んでいくから、素直なおばさんは素直な感想を述べてしまう。かといって、テレビ局あてに「あんな番組作るな!」とねじ込むのも、報道の自由を守ることを使命としている者としてはしたくない。だからせいぜい、容赦ない悪口を云い続けているのである。・・・え? それは単なる趣味だろうって? さァ、どーなんでしょー。ひひ。

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