あがきません

思えば子どもの時分から、ほとんど「苦手を克服する」という作業をしてこなかった。それはたぶん、「自分に向いていることを伸ばす作業を“努力”と呼び、向いてないことを無理に伸ばそうとすることを“悪あがき”と呼ぶ」と考えているからだろう。

人にはそれぞれ得手不得手というのがあるから、べつに苦手を克服することを時間のムダと呼ぶつもりはない。ただ、「自分には向いていない」というだけの話である。それを早期に見極め、苦手と苦手の間をすり抜けて、最短距離で「得意」に到達する手管を身に付けられたことは、我ながらじつに幸運だったと思う。

あ、弁解するつもりはないけど、苦手を回避し続けたからといって、べつに怠けてたワケじゃないっすよ。得意を高めることにだってそれなりの努力は要するわけだから。ただ「苦手」と「得意」とは「錆びついてパンクした自転車」と「電動自転車」くらい違うんで、同じ力で「漕いだ」としても、スピードも進める距離も格段の差があるってことなんですワ。

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