恩を売ることは「貯金」じゃなくて「株式投資」

恩を売る、というのは自分にゆとりがある時にしかできないことだから、「恩を誰かに売れるだけの余裕がある時は、可能な限り売っておけ」と若い人間には云っている。とはいえ、それを「貯金をすること」と同義に捉えてはいけない。貯金ならば「元本保証」されるが、売った恩というのは「丸々スッてしまう」可能性が大なのである。たとえて云うなら「株式投資」が近い。相応のリターンがあるとは限らないが、つぎ込んだ分を上回る「配当」が入ってくる可能性もあるのだ。

しかし、誤解してはいけないのは、「リターンを期待して誰かに恩を売るようなことは間違いである」ということだ。分かりやすいよう「株」にたとえて説明したが、それは「システムが似ている」というだけの話で、成り立ちの部分は全然別モノなのである。恩を売るというのは「売る相手への期待にもとづく投資」であるから、「売った恩へのリターン」なんてのはあくまでも「運が良ければ入るオマケ」程度に考えなければいけないのだ。まァ、株にしたって本来の意味はそれだったはずなんだけど、いつの間にやら「転がして儲けるマネーゲームのコマ」になり下がってしまっている。「金」というのは、やっぱり物事の本質を変えてしまうような魔物的なパワーを持っているのだなァ。

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