失敗を露呈し、後進の糧に変える勇気

人々が「自分の失敗を露呈する勇気」と「他人の失敗談から何らかの教訓を得て、今後の糧としていける賢さ」を持つことができれば、世の中はもっと豊かになるだろうと思うのだ。けれども現実はたいていの人間が失敗を隠したがり、稀にそれをオープンにしてくれる誰かがいても「ふ~ん・・・」と聞き流してしまうのが常である。

有史以前から人間は星の数ほどの失敗を繰り返し、血と涙を流し、あるいは恥をかいてきた。それらがデータベース化されて誰でもが閲覧可能な状態にあり、何かに迷った人がそこからヒントを引き出す習慣を持っていたらなァ・・・と常々思う。しかし残念ながら、そうなる気配は希薄で、「おいおいアンタ、今のアンタとおんなじことを10年前に試みた奴がいたけど、大失敗して燃え尽き症候群になってるゼ~~ッ」と歯がゆい思いをさせられることが多いのだ。

410号から始めた短期集中連載「今年ハタチをむかえる“和製ゲイ・パレード”その光と影を追って・・・」は、これまでのパレードの流れを発足時まで遡って時系列に沿って追っていくことで「何が火種となって、どのようなトラブルが起こったのか」を検証していく企画である。「今を見つめること」は重要だけれども、「今しか見ない」のでは「過去に起きた誤り」を知らないまま「複数の後続者が同じ轍を何度でも踏み続ける」ことになる。それを防ぐには「先達者のつまずいた場所」を知っておくことが必要なのだ。

「昔のことを今さらほじくり返すなんて悪趣味だ!」という反論はあろうが、その部分の痛みを乗り越えなければ何十年も堂々巡りを続けることになってしまうのだ。コミュニティの古傷の痛みは、けっして無駄ではないのである。

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