ぼくは戦争はしません

「戦争の悲惨さを描く児童書」というのは戦後、枚挙にいとまがないほど出版されてきました。そういう本の読み聞かせをしている現場を取材したテレビ番組のなかで、参加者の男の子が澄みきった目をしながらこう言ってました。「たとえどんな時代になっても、ぼくは戦争はしません」。その意見自体はまったく間違ってないと思うのですが、ひとつ気になることがあります。それは「社会背景が逆転しても同じことを言い続けられるのか?」ということです。

敗戦後の日本では、「過去の戦争の中に『否定的でない部分』を見出すこと」は絶対的なタブーとされています。「日本がしてきたのは絶対悪の侵略戦争である」というのが大前提とされ、それにちょっとでも異を唱えると、問答無用で「極右」「危険思想者」のレッテルが貼られ、全人格を否定されてしまいます。

でも、どんなことでも「じっくり考え」「きっちり議論する」というのは重要です。「過去を全否定する」というのは、単なる「思考停止」に過ぎないと思います。思考停止が常態化している人というのは「世間の空気に左右される」ものですから、このさき世論が反転して「戦争肯定」みたいな流れになったら、よく考えないまま「そうだ、そうだ」みたいなことにもなりかねません。

戦争否定時代に「ぼくは戦争はしません」と言っている子どもは、戦時肯定時代に「ぼく、兵隊さんになる!」と言ってた子どもと同種の存在、つまり「漠然と時代の空気に染まっている者」のではないか? とボクには思えてくるわけです。どちらも「純粋で素直な人間」と言えますが、「純粋で素直であるがゆえに危なっかしい」とも言える。

そこから脱するためには「簡単に誰かの言説を信じない」というのを肝に銘じとく必要があります。個人的には「幼稚園くらいから教えとくべき」と思うんですが、ね。

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