きっと聖域はすごく臭い

日本で唯一(たぶん)の“寝たきり芸人”の「あそどっぐ」が、お笑いを目指した理由として「世間が障害者に対して抱いている『けなげ』『純粋』といったイメージをぶち壊したいから」というようなことを語っていました。セクマイもそうですが、「悪意的偏見」と同じくらいの頻度で「善意的偏見」に付きまとわれるマイノリティというのは、ホントに厄介なモンですね。

マイノリティといえどもフツーの人間なわけですから、意味なくケナされるのは迷惑ですが、不要にヨイショされるのもゴメンです。善意的偏見を持つ人は、マイノリティを一般的な価値観が通用しない「聖域」に入れたがります。

以前、視覚障害者の少女が路上で暴行され、マスコミはこぞって「許せない! 早く犯人を捕まえろ!」と騒ぎ立てた事件がありました。ところがその後、捕まった犯人が「知的障害者」だと判明するや、あれほど騒いでいたマスコミがピタッと静まったのです。要するに、「善意的偏見者たちが犯人が聖域に連れ込み、世間から隔絶してしまった」わけですね。

誤解しないで欲しいんですが、別に「犯人を吊し上げろ!」とか言ってるわけではありません。犯人の処分は警察、検察、被害者サイドが協議して決めることであり、我々第三者がトヤカク言う筋合いのことではないですし。ただ、聖域にかくまうことで「思考停止状態」にしてしまうのはやっぱりマズイ。こういう事なかれ主義を常態化してしまうと、またきっと同じ被害が起こると思います。

部外者である我々が考えるべきは「犯人をどう罰するか」ではなく、「同種事件の再発はどうすれば防げるのか」です。「臭いモノにフタ」と昔から言いますが、フタしたままでは臭いモノはいつまで経っても臭いままです。善意的偏見者たちの作っている聖域は、きっとものすごく臭いですよ。

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