永遠も絶対もない

美輪明宏氏の若かりし頃(昭和20~30年代)、世の中は「ごくごく少数の突出した美男美女と、圧倒的多数の平凡男女」とで構成されていたという。スタアとなるのは限られた前者たちで、後者は観客(ファン)としてそうした人々を支えていたそうだ。

それからずいぶんと経って日本人は変わった。欧米型の食事が浸透したことでDNAに何か変異でも起きたのか(?)、全体的に「ルックスの底上げ」が為されたのである。併せて「スタアの庶民化」も進んだ。マネキンみたいな美形よりも「隣のアンチャン、ネーチャン」的なタイプのほうが人気を博すようになり、いつしかそちらが主流化していったのである(男子でいえば「たのきんトリオ」、女子なら「おニャン子クラブ」あたりからかナ)。

その結果、「メディアで活躍するトップアイドルよりも、牛丼屋でバイトしている大学生のほうが美形度が高い」なんていう倒錯現象(?)も珍しくないようになった。近頃では「ブス」を売り物にするグラビアアイドルまでも登場するようになり、原節子とかを崇拝していた世代から見れば異次元に迷い込んだような気分かもしれない(まァ、原節子信者がブスドルを観る機会はあまりないだろうが・・・)。

つまり僕が云いたいのは「世の中には永遠も絶対もない」ということだ。流行はうつろいやすく、大衆の嗜好は流動的である。昭和末期には「男は日焼け!」とメディアがさんざっぱら煽って、僕にしても日サロに週2くらいで通い詰めたモンだったが、いまや「日焼けは皮膚がんの元!」だもんなァ~。どーしてくれンだよッ、って感じである。

流行りモンにのっかると、いつか必ず裏切られる。過去の失敗からそのコトを学んだ僕は、だから常に「周囲に惑わされない行動」をとるようにしている。たとえ世間でホメそやされているものでも「しょーもな」と思えばケナし、逆の場合なら逆のことをするのである。もちろん見立てが間違っていたことに後で気づく場合もあるが、自分で決めたことならば後悔も少ないというモンですヨ。ねえ?

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