東京脱出バナー

今年の初め、俺が所属している「町中華探検隊」の新年会で、隊長であるライターの北尾トロさんに、いま進めている「脱・東京プロジェクト」のことを話しました。

トロさんは、東日本大震災や原発事故をきっかけに東京を出て、長野県松本市へと居を移した、言うなれば「地方移住の先輩」なので「何かアドバイスとかもらえたらな」とか思ったわけです。

「トロさんは移住地に長野を選んだわけですけど、そこには何か特別な理由とかあったんですか?」
「いや、特に理由らしい理由とかはなかったね。『馴染みのある中央線一本で行けるトコ』ということで探したら、たまたま長野が目についた感じ」

「トロさんは長野に移住してから狩猟免許をとって猟師になったわけですけど、それって最初から想定してたことなんですか?」
「いや、全然。せっかく移住するんだから、何か『その土地だからできる新しいコト』を始めたいなとは思ってたけど、特に狩猟に興味があったわけじゃなかったよ」

猟師本

要するに、トロさんが決めていたのは「とりあえず東京を出る」ということだけで、「長野で暮らすこと」も「猟師になったこと」も「たまたまの偶然が連なった結果」だったわけです。
つまり、全てが「フィーリング」や「インスピレーション」の連続ってこと。
これに関して「妻子を支える家長の身で、なんてイーカゲンな!」と眉をひそめる人もいるでしょうが、しかし人生は「カッチリ決めたから安心」というわけでもありません。

たとえば「吟味に吟味を重ねて選んだサイコーの相手と完全無欠なプランで結ばれた結婚」だったはずなのに、あっという間に破たんしたりするトコってあるでしょ?
あるいはその逆で、「腐れ縁的にくっついた相手だったけど、けっきょく死ぬまで添い遂げた」なんて夫婦もあったりする。
つまり、不完全な存在である我ら人間に「万全を期する」なんて神様みたいな芸当はできっこないのですよ。

この日、トロさんから「こうすればいい」といった具体的な助言は一切得られませんでしたが、しかし「あまり深く考えなくてもどーにかなるもんだ」という教訓(?)を身をもって示してもらった感じです。
俺も移住後は「その土地に根付いた何らかの活動」をしたいと思ってるんですが、それが何であるかは分かりません。
まぁ、なにぶんにも「ひ弱な町場っ子」なんで、「鉄砲かついで山歩き」みたいなことはできないだろうとは思うけど、何かやることだけは確かですよ。

422cover

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