東京脱出バナー

位置的にはJRの池袋駅と目白駅の間……そこにかつて「池袋モンパルナス」と呼ばれる創作者(画家・音楽家・詩人など)たちのコミュニティがありました。
モンパルナスとは「フランス・パリの芸術家たちが多く住まっていた地区」のこと。
パリ市内にはもうひとつ、やはりアーティストの集った「モンマルトル」というのがありますが、そちらよりも家賃が安かったことから経済的にキビしい作家たちはモンパルナスヘ集まっていたんだそうです。

池袋モンパルナスも本家のモンパルナスと同様、才気はあれども金はない若き作家たちが集まり、「梁山泊」的様相を呈していたんだとか。
豊島区のHPによれば「彼らは切磋琢磨しながら貧しさの中で創作に打ち込み、また、夜になれば池袋の街にくり出し、自由な雰囲気のもと、芸術論を戦わせたり、未来の夢を語り合うなど、様々な交流を繰り広げました」とあります。
なんだか伝説の漫画家アパート「トキワ荘」を彷彿とさせる感じですが、実はトキワ荘があったの場所は池袋モンパルナスから目と鼻の先でした。

作家と言っても、創作でメシが食えている人というのはごく稀です。
著書を何冊も出している文筆家でも、稿料や印税だけで食べられる人はごくわずかで、何らかの副業やアルバイトで糊口をしのいでいる者のほうが圧倒的に多い(あ、俺もそうだ)。
こうした人たちにとって、東京(大都市)というのは「暮らしやすい場所」では決してありません。
地価が高いので家賃が高額で、結果、生活コスト全般が高くつくのです。
人間て、知らず知らずのうちに分不相応な家に住まったりして、それが「無自覚なプレッシャー」になっていたりする。
20代の頃の「3万円あれば家賃と光熱費がまかなえる暮し」を懐かしく感じたことは、一度や二度ではありません。

あちこちで食えない作家や作家のタマゴと会うと、たいていの人が「バイトが忙しくて創作時間がなかなかとれない」と言います。
同輩として、その苦労はよく分かります。
そして、思うのです。
かつての池袋モンパルナスのような創作者コミュニティがあればいいな、と。

貧しさは、「似た境遇の者同士で補い合う」ことでかなりの部分まで挽回できます。
そして、その手を使うためには池袋モンパルナスのような「相互扶助の場」が必要です。
東京にはもはやその余地はないと思いますが、そこから離れればある程度のコミュニティを構築できる土地は得られるはず。
ということで、俺の移住後の目標のひとつには「自分たちのモンパルナスを作る」というのが入っているわけです。
食うのに追われがちな作家のミナサマ、助け合うことで、「自分の為の時間」を増やしていきましょう!

モノクロ423見本表紙

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