東京脱出バナー

「50歳から女装を始めた東大教授」という肩書(?)のオジサマがいて、時おりメディアに取り上げられています。
その際の論調は「ジェンダーバイアスからの解放を勝ち取った勇気の人」というのが大半ですが、俺としては「それはちょっと論旨がズレているんじゃないのかな?」という気がします。
彼の行動の「キモ」の部分はジェンダー云々とかじゃなく、極々シンプルな「窮屈なことをやめた」ということなんじゃないの?

くだんの教授の「男装時代」の写真を見ると、まるで「男らしさを三日三晩煮詰めて抽出したエキス」みたいな見た目で、アカの他人の俺から見ても「なるほどコレは窮屈だったろう」という感じです。
なんというか「男らしさのコスプレをしていた」みたい。
自らにこんな特Aレベルの男らしさを強いながら半世紀過ごしてきたのだとしたら、そりゃブチ切れて極端な反動行為(=異性装)に出るの不思議じゃないワ、と言いたくなってしまう。

ただし、です。
バイアスというのは別にジェンダー方面ばかりにかかっているものではなく、ありとあらゆる部分に浸透しているもののはず。
それに反旗をひるがえしているのは何も「女装の東大教授」ばかりではなく、たとえば「会社勤めが窮屈だったから脱サラした」という人は「職業的バイアス(=企業の正社員になることがベスト)に反旗をひるがえした人」なわけです。
手前味噌で恐縮ですが、「靴を履くのが窮屈だと気付いたのでサンダル履き生活に切り替えた」という俺もまた「服装バイアス(=マトモな恰好をしないと変)に反旗をひるがえした人」ということになります。
要するに、そういう人は世の中に山ほどいるわけですヨ。

しかし最近のメディア(特に大新聞)はセクシュアルマイノリティ関連ネタというのが大好物だし、「女装の東大教授」というのは記事見出しとしてかなりキャッチーなので、どうしてもソッチに関心が集中してしまう。
「当たり前だろ! 『女装で教壇に立つこと』と『サンダル履きで出勤すること』を同レベルに見るとはなんたる不謹慎ぞ!! 一体どんな思考回路してるんだ!? 気になるからいっぺん脳スキャン撮って見せてみろ!」
このように激高されるLGBTフレンドリーさん(昨今は「アライさん」とか言うらしい)もおられるかと思いますが、いやいや「サンダル履きで出勤する」というのだってけっこう風当たりが強いものなのヨ。

俺が要するに何を言いたいのかいえば、「バイアスに同調していると体に毒ですヨ。我慢しすぎると頭がアレになっちゃいますヨ」と至極シンプルでアタリマエなことです。
「きちんとした靴履き人種」から「ゆかいなサンダルおじさん」に転身したことで、俺は心身ともに楽チンになりました。
今また「多くの人々が憧れる東京ど真ん中ライフ」を捨てて「ゆとりのリゾート地暮らし」に切り替えることで、更なる「人生の楽チン化」を画策しています。
「よくよく考えたら、いまの自分って地獄レベルで青息吐息じゃん」と気づいた方、だまされたと思って俺にご一報ください。
一緒に楽チンになりましょうヤ!

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