子どもはソコソコ欲求不満に

オトナになることを忌避する人が目立ちはじめたのはいつ頃だっただろうか。「ピーターパンシンドローム」というのが精神疾患(!)としてアメリカで提唱されるようになったのは1983年だったそうだから、僕が10代だった頃にはすでに顕在化していたということか。

僕にしても「ハイ、ワタクシはりっぱなオトナでございます」と云えるような生き方はできていないが、かといって「ずっと子どもでいたい!」と思ったりしたことはなかった。少なくとも僕の周辺では「早くオトナになって、子どもには禁じられているアレもコレも好きなようにやってみたい」と願う(ここで云うアレやらコレやらは、いずれもロクでもない事柄であるけれどもネ)連中がホトンドだった。

思うにそれは「子どもであることのメリット」よりも「オトナになることのメリット」のほうが大きかったからではなかろうか。人間というのは無意識のうちに損得勘定が働くようにできているので、「オトナになることのメリット」のほうが「子どもであることのメリット」を上回らない限り、ピーターパン男女はなかなか減っていかないだろう。

自分の子どもの頃をひとことで云い現わすなら「たっぷりのヒマとちょっぴりのカネを与えられていた時代」といった感じだろうか。いつもクッダラナイ遊びばかりしながら、「あ~早くオトナになって、アレとかコレとか手に入れたいなァ」と考えていた。だから自分の子どもに早く一人前になってもらいたいと願っている親御さんは、お子さんにはあまり厚待遇を用意しないほうが得策かも知れませんゼ。

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