あなたが性犯罪者になる日

竜超版『薔薇族』では第1号(No.400)より「少年を愛することは罪ですか?」という連載を設けており、少年愛者の現状や将来について論じ続けている。その中でずっと問題視しているのが、俗に「児童ポルノ物件」と呼ばれているアイテム(雑誌、写真集、映像作品)の「単純所持」の罰則化である。これがまかり通ってしまうと、過去に合法的に製造・入手した物件が「ただ持っているだけで罪になる」のだ。

これまでも規制推進派の議員やら市民活動家やらがその実現にむけて画策してきたが、ギリギリのところで防ぐことができていた。けれども今月末に自民・公明・維新の3党が衆議院に法案を提出したことから、またぞろキナ臭い様相を呈しはじめたのである。与党時代の民主党は「冤罪を招く危険がある」として慎重路線を打ち出していたのだが、そちらがパワーダウンしてしまった今、危うさに拍車がかかってしまった感じなのだ。

前述3党に対して「日本雑誌協会」と「日本書籍出版協会」は、「児童の保護をうたいながら、実態は表現の自由を規制する方向に進んでいる」「すべての日本国民の知る権利をもおびやかすことになり、戦前の言論弾圧時代が復活しかねない」等々の意味合いでの反対声明を発表したという。至極マットウな意見であると思うが、しかし彼らが守ろうとしているのはたぶん「漫画・アニメ」の表現の自由までである。そこだけに留まってしまうと、けっきょくは言論表現の自由が死んでしまう。

推進派が処罰対象にしようとしているのは「自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者」だというが、禁止する、しないをウンヌンする以前にまず、何が「自己の性的好奇心を満たす目的」なのか、そして「児童ポルノ」とは何なのか、といったことについて国民全体で議論するべきではないのか。「児童ポルノ事件の摘発数は年々増加傾向にある」といった報道もあるが、定義がアイマイなのではその発表をどこまで信じていいやら分からない。

ひとつだけ云えるのは、単純所持がもしも禁止されると、国家権力がその気になればいつでも邪魔な人間を「性犯罪者」として拘束できてしまう、ということだ。たとえば過去に録画したドラマや映画の中に子役の入浴シーンとかがチラッとでも入っていたら、それを「動かぬ証拠」として逮捕できてしまうのである。さらに警察発表をマスコミが無批判に報道すれば、その人は世間から「異常性欲者」のレッテルを貼られ、生きながらにして殺されてしまうかもしれない。

実在の子どもたちが性的被害に遭うことは絶対に止めなければならないし、それを規制することには僕もなんら異存はない。そして、それらについては既存の法律だけで十分足りているのだから、これ以上進めることは「児童性愛者を生理的に嫌悪する人々の暴走」でしかないと思う。

そうした危険な流れに警鐘を鳴らす書籍を出版するべく、僕は1冊分の原稿を書き上げた。『あなたが性犯罪者になる日』と名付けて、いくつかの出版社に打診してみたのだが、残念ながら「お上が怖い」という理由から引き受けてはもらえなかった。しかし事ここにおよんで、もうどんな形でもいいので原稿を世に出し、問題提議をしていきたいと思う。どういう形をとるべきか、まだ考えあぐねているのであるが、一番効果的な方法に心当たりのある方は、是非ご教授ください。

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